「本漆の仏壇は手入れが難しそう」「傷や汚れがついたらどうすればいいのか不安」。本漆塗りの仏壇に惹かれつつも、お手入れの面で迷われる方は多くいらっしゃいます。
結論から言えば、日常のお手入れはとてもシンプルです。この記事では、本漆塗りのミニ仏壇「漆恵(うるしえ)」を例に、毎日のお手入れの仕方、経年変化との付き合い方、そして万が一の修理までを、姫路で8代続く仏壇店がご説明します。
日常のお手入れは「乾いた布でやさしく拭く」だけ
本漆塗りの本体のお手入れは、基本的に難しいことはありません。シリコンクロス(柔らかい乾いた布)で、ほこりをやさしく拭き取るだけで十分です。
水や洗剤を使ってゴシゴシこすったり、化学ぞうきんを使ったりする必要はありません。漆の表面は、日々そっと拭いてあげることで、しっとりとした艶が保たれます。手を合わせるついでに軽くひと拭きする、その積み重ねが一番のお手入れです。
ガラス仏具のお手入れ
漆恵のセットに含まれる手作りのオリジナルガラスの仏具(花立・香炉・灯立・仏飯器・茶湯器)は、水で洗うことができます。汚れが気になったときは水洗いしていただけますが、ガラスは割れやすいため、取り扱いにはご注意ください。洗ったあとは、水気をやわらかい布で拭き取ってから戻すと安心です。
火まわりの安全とお手入れ
線香は香炉、ローソクは花立でお使いいただけます。セットには防炎マットが含まれており、防炎マットの上であれば安全にお使いいただけます。火をお使いになったあとは、消し忘れのないよう十分にお気をつけください。香炉の灰やローソクのロウが付いた場合は、固まる前に取り除いておくとお手入れが楽になります。
経年変化は「劣化」ではなく「味わい」
本漆や天然素材は、時とともに表情が変わっていきます。これは不具合ではなく、本物の素材ならではの味わいです。あらかじめ知っておくと、変化を楽しみながら長くお使いいただけます。
漆の色の変化
漆は塗り物ですので、ぶつけたりすると傷はつきます。また、天然漆は経年により色が少しずつ透けてくることがあります。これは本漆特有の変化で、使い込むほどに深みが増していきます。
銀板の黒ずみ
蓋に銀板の装飾を選ばれた場合、銀は手の油分などと反応したり、経年により多少黒ずんだりします。これも銀ならではの経年変化で、味わいとして楽しんでいただけます。気になる場合はやわらかい布で軽く拭いてください。
漆の匂い
天然漆のため、多少の匂いを感じることがあります。ただし、お部屋全体が漆の匂いになるようなことはありませんのでご安心ください。
傷んだとき・壊れたときの修理
長くお使いいただく中で、万が一のことがあっても対応できるのが、職人が手がける仏壇の安心なところです。
- 漆が欠けた・蝶番(ちょうつがい)が壊れた場合 — 別途費用はかかりますが、お預かりして塗り直しや金具の修理を承ります。
- カルトナージュ(布)が汚れた・破れた場合 — 別途費用で、後から張り替えることが可能です。
なお、蓋(フェイス)の装飾を、あとから別の柄(たとえば蒔絵)へ作り替えるといったリニューアルは承っておりません。装飾は最初にお選びいただいたものを、修理をしながら長くお使いいただく形になります。
お手入れ早わかり表
| 部分 | お手入れ方法 |
|---|---|
| 本体(漆) | シリコンクロスで乾拭き。水洗い不要 |
| ガラス仏具 | 水洗い可。割れやすいので注意 |
| 火まわり | 防炎マットの上で使用。消し忘れに注意 |
| 銀板 | やわらかい布で軽く拭く。黒ずみは経年の味わい |
| 欠け・破損 | 別途費用で塗り直し・金具修理・布の張り替え可 |
よくあるご質問
Q. 毎日のお手入れは何をすればいいですか。
A. 本体はシリコンクロスでやさしく乾拭きするだけで十分です。水や洗剤は使わなくて構いません。
Q. ガラスの仏具は洗ってもいいですか。
A. はい、水洗いできます。ただし割れやすいので、取り扱いにはご注意ください。
Q. 漆は傷つきやすいですか。
A. 塗り物ですのでぶつけると傷はつきます。天然漆は経年で色が少し透けてくることがありますが、本漆ならではの味わいとしてお楽しみいただけます。
Q. 落として欠けてしまったら修理できますか。
A. 別途費用はかかりますが、お預かりして塗り直しや金具の修理を承ります。
実物をご覧になりたい方へ
漆恵は兵庫県姫路市(姫路城の近く)の店舗で実物をご覧いただけます。火曜が定休日のため、ご予約いただくとスムーズにご案内できます。遠方の方にはWeb会議でお色味や質感をご確認いただくことも可能です。まずは資料だけ、という方にはカタログを郵送いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
