「お墓が遠くて、なかなかお参りに行けない」「実家の仏壇を処分することになったが、供養をやめてしまうようで気が引ける」。近年、こうしたご相談が確実に増えています。
そうした方に選ばれているのが、自宅に小さな祈りの場をつくるという考え方です。この記事では、手元供養とはどういうものか、お墓じまい・仏壇じまいの後に何を確認すればよいのかを、姫路で八代続く仏壇店が整理してご説明します。
手元供養とは
手元供養とは、ご遺骨の一部を自宅に安置したり、身につけたりして、故人を身近に感じながら供養する方法を指して使われることが多い言葉です。
ただし、法令や公的機関が定めた正式な定義があるわけではありません。近年になって広まった呼び方で、「ここまでが手元供養」という線引きが決まっているわけではないのです。
実際にご相談をいただく中では、ご遺骨を納める形だけでなく、お位牌やお写真を前に、自宅で毎日手を合わせたいというご希望も同じくらい多くいただきます。呼び方にこだわらず、「自宅に、無理なく続けられる祈りの場をつくる」と考えていただくのがよいかと思います。
手元供養が増えている背景
ご相談の内容は、大きく2つに分かれます。
- お墓が遠く、承継する人がいない — 年に一度お参りするのがやっとで、次の世代に守ってもらうことも難しい。元気なうちにお墓じまいを考える方が増えています
- 実家の大きな仏壇を置ける家がない — 仏壇じまいをしたうえで、今の住まいに合うコンパクトな仏壇へ替えるという選び方が現実的な解になっています
共通しているのは、供養をやめたいわけではないということです。続けられる大きさ・続けられる置き場所にととのえ直すという発想が、手元供養やミニ仏壇が選ばれている理由だと感じています。
法律ではどう扱われているのか
ご遺骨を自宅に置くことについて、「法律的に問題ないのか」というご質問をいただくことがあります。事実関係だけを整理します。
「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)第4条は、埋葬または焼骨の埋蔵を、墓地以外の区域で行ってはならないと定めています。ここで規制されているのは「埋葬」と「焼骨の埋蔵」であり、焼骨を容器に納めたまま自宅の室内で保管する行為を直接禁じる条文は、この法律の中にはありません。そのため、自宅での安置はこの法律の規制対象外と解されています。
また、お墓を移したり墓じまいをしたりする「改葬」については、同法第5条により、ご遺骨が現にある場所の市区町村長の許可(改葬許可証)が必要と定められています。手続きの具体的な進め方は自治体ごとに運用が異なりますので、お住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
出典:墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)<https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048>
なお、当店は法律の専門家ではありません。個別のご事情による判断は、自治体の窓口や専門家にご相談ください。
お寺様に確認しておきたいこと
仏壇やお位牌を移すとき、お寺様への法要が必要かどうかは、宗派やお寺様のお考えによって異なります。一般に「魂抜き」「魂入れ」と呼ばれることがありますが、呼び方も考え方も宗派によって同じではありません。
たとえば浄土真宗本願寺派は、公式サイトで「お魂入れ」「お性根入れ」という言い方はせず、「入仏法要(入仏式)」と呼ぶと説明しています。ご本尊をお迎えしたことを喜ぶ法要という位置づけであり、魂を入れるという考え方とは異なるためです。
参考:浄土真宗本願寺派 よくある質問 <https://www.hongwanji.or.jp/faq/list.html>
このように宗派によって前提が違いますので、まずは菩提寺のお寺様にご相談ください。仏壇やお位牌の大きさ・納まりについては、当店でもご相談を承ります。
じまいの後にミニ仏壇を選ぶときの3つのポイント
1. 今の住まいに置ける大きさか
置き場所から逆算してお選びください。A4判ほどの大きさであれば、棚やチェストの上に収まります。当店の本漆塗りのミニ仏壇「漆恵(うるしえ)」は、横幅32cm×奥行23cm×厚さ6.5cm、専用の布袋を含めて約1300g。フェイスを閉じれば厚さ6.5cmの箱になります。
2. 今お持ちのお位牌が納まるか
大きな仏壇から移す場合、まず確認したいのがお位牌の納まりです。漆恵は、お位牌をお納めする仕切りの右側のスペース(内寸)が約21cm×11cmです。お位牌の高さをお手元で測ってからご相談いただくと確実です。
3. 宗派やお祀りの形に合うか
漆恵は宗派を問わずお祀りいただけます。お位牌を納めるだけでなく、故人のお写真(ご遺影)を立ててお参りする使い方もできます。お祀りに必要な仏具(花立・香炉・灯立・仏飯器・茶湯器の手作りオリジナルガラス5種、砂張のおりん、防炎マット)は価格に含まれています。
なお、ご遺骨のお納めについては、ご希望の形をお聞きしたうえでご案内しますので、お問い合わせください。
供養のかたちの比べ方
| 確認したいこと | |
|---|---|
| 続けやすさ | 毎日、無理なく手を合わせられる場所に置けるか |
| 大きさ | 今の住まいの棚や家具に収まる寸法か |
| お位牌 | 今お持ちのお位牌が納まるか |
| 宗派・作法 | 菩提寺のお寺様に確認したか |
| 手続き | お墓を移す場合、市区町村の改葬許可が必要 |
よくあるご質問
Q. 手元供養とは何ですか。A. ご遺骨の一部を自宅に安置したり身につけたりして、故人を身近に感じながら供養する方法を指して使われることが多い言葉です。法令や公的機関による正式な定義はありません。お位牌やお写真を前に自宅で手を合わせる形も、広い意味で同じ考え方に含めて語られています。
Q. 遺骨を自宅に置いても法律上問題ありませんか。A. 墓地、埋葬等に関する法律第4条が禁じているのは、墓地以外の区域での「埋葬」と「焼骨の埋蔵」です。焼骨を容器に納めたまま自宅で保管する行為を直接禁じる条文はなく、規制対象外と解されています。個別のご事情については自治体の窓口や専門家にご確認ください。
Q. お墓じまいには何が必要ですか。A. お墓を移す「改葬」には、同法第5条により、ご遺骨が現にある場所の市区町村長の許可(改葬許可証)が必要です。具体的な手続きは自治体によって運用が異なりますので、窓口にご確認ください。
Q. 仏壇を小さいものに替えるとき、お寺様への法要は必要ですか。A. 宗派やお寺様のお考えによって異なります。呼び方も宗派で違い、たとえば浄土真宗本願寺派では「入仏法要(入仏式)」と呼ぶと公式に説明されています。まずは菩提寺のお寺様にご相談ください。
Q. 大きな仏壇のお位牌を、そのまま小さな仏壇に移せますか。A. お位牌の高さによります。漆恵は仕切りの右側のスペース(内寸)が約21cm×11cmです。お手元で高さを測ってお問い合わせください。
Q. 宗派が分からない、あるいは無宗教でも置けますか。A. 漆恵は宗派を問わずお使いいただけます。お位牌の代わりにお写真を飾ってお参りする使い方もできます。
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ご相談を承ります
「この仏壇にこのお位牌が納まるか」「実家の仏壇をどうすべきか」といったご相談もお受けしています。漆恵は兵庫県姫路市(姫路城の近く、姫路駅から徒歩20分)の店舗で実物をご覧いただけます。火曜が定休日のため、ご予約いただくとスムーズです。遠方の方にはWeb会議でのご案内、パンフレットの郵送も承ります。価格は55万円(税込)からです。
